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<54>理解者確保する努力を

2022年6月22日
発達障害の特性。大人の偏見はどうすれば?

発達障害の特性。大人の偏見はどうすれば?

偏見残る発達障害

 Q  発達障害の子どもがいます。学校では発達障害をカミングアウトすることで理解を求めることがあると聞きましたが、近所ではいまだに発達障害に対し偏見があり、発達障害児がいると白い目を向けられます。特に高齢の方からは理解を得るのが難しいと感じます。地域の大人に理解を求めるには、何が必要でしょうか。

 A  発達障害の人たちは、子どもの時から理解力や学力、対人関係を築き維持する力、興味、注意力、集中力などに異常が見られ、そのために生活に支障を来します。これらの異常は心理的現象で、行動として表れないと他の人にはわかりません。行動は「他の子がすることをしない」あるいは「他の子がしないような困ることをする」という形で表れます。そのため「サボっている」や「ふざけている」と誤解され、さらには、しつけの問題として親に非難の目が向けられることがあります。家族に障害者がいることで差別的な対応をされる地域も、まだあるかもしれません。
 近視も、他の人にはどの程度見えにくいかがわかりにくいものです。しかし、見えないからと眼鏡をかけても「サボっている」「ふざけている」などとは言われません。近視の人は身近にたくさんいるからです。発達障害は人数が少なく、その知識が広がり始めてから日が浅いため、まだ十分な理解が得られていないのが現状です。
 発達障害の特性を「サボり」や「ふざけ」などとしか解釈できない人や、差別感情をむき出しにする人は、固定観念を変えられない、または柔軟な想像力に乏しいことが多いと思われます。未経験のことや自分の処理能力を超えた情報を受け入れられず、自分に都合のよい解釈をしてしまうのです。固定観念をつくりやすい、想像力に乏しいというのも、発達障害の特性と同様変えることができない特性かもしれません。その場合、理解を得ることは難しいでしょう。
 大事なことは、理解してくれる人は必ず存在するということです。子どもを理解し、支援してくれる人たちを確保する努力は続けてください。理解が得られない人には理解されなくてもよいですが、余計な干渉をされないよう防御策を講じる必要はあるかもしれません。身近な人が無理解で不適切な干渉をしてくる場合、当面は距離をとることも選択肢に入れてかまいません。その場合は親御さんが孤立しないよう、学校や福祉行政、医療機関などの公的サービスを活用してください。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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「実践! ドクター本田のにじいろ子育て」は第2、4水曜日に掲載します。