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<48>クラス編成に配慮義務

2022年3月23日
配慮のおかげで、楽しく過ごせることも

配慮のおかげで、楽しく過ごせることも

特性の理解に不安

 Q 対人関係が苦手で、こだわりが強い小学生の子どもがいます。現在のクラスでは周囲や先生の理解がありますが、クラス替えで苦手な子と一緒になったり、進級に伴って先生が替わったりすると、現在のようにいかないのではないかと心配しています。発達障害の診断があれば、クラス替えの際などに考慮されるのでしょうか。

 A 「障害者差別解消法」では、心身に障害のある人に対して何らかの配慮をすれば通常の人と同様に参加可能である場合、学校や事業所は過度な負担にならない範囲で支援を行わなければならないと定められています。そのような配慮のことを「合理的配慮」と言います。
 近視の生徒の席を前方にしたり眼鏡着用を認めたりするのは、「合理的配慮」などと言わなくても昔から学校で行われています。人数がある程度多くて見た目にもわかりやすいと、ほとんどの教員が抵抗なく配慮します。ですが、発達障害に対しては「わがまま」「だらしない」「生意気」などと教員が誤解して、正当な合理的配慮をせず、教師によるいじめ・パワーハラスメントの状態がまかり通ってしまうことが、いまでも散見されます。
 対人関係が苦手でこだわりが強い生徒に対しては、担任・クラスのメンバー構成やクラスでの活動内容について、その生徒が苦痛に感じることがなるべく少なくてすむよう、可能な範囲で配慮する義務が学校に課せられます。眼鏡をかけるときにいちいち診断書を持っていかなくてもよいのと同様に、クラス編成や活動内容への配慮を求める際にも本当は診断書がなくてよいのです。ただ、医療機関で診断を受けており、合理的配慮が必要であると明記された診断書があると、学校がそれを無視したときに法律違反であることが証明できるため、教師によるいじめ・パワーハラスメントを予防しやすくはなります。
 質問者のお子さんは、いまは診断されていないようですが、それでもよい先生とクラスメートに恵まれれば、穏やかで楽しい学校生活を送ることは十分可能です。学校側も、安定した学校生活を送ることができている生徒が担任変更やクラス替えによって不安定になるといったトラブルを本当は避けたいところです。いま楽しく学校生活を送っているのであれば、保護者はふだんから担任や校長とよくコミュニケーションをとり、現状に対する感謝の意を示しながら、次年度への配慮についても話しておくとよいでしょう。その上で必要と思われるのであれば診断書を提出されるとよいと思います。
 (本田秀夫・信州大医学部子どものこころの発達医学教室教授)

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