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風林火山(1月31日)

2022年1月31日 6時10分

 仕事帰りに立ち寄っていたコンビニエンスストアが先日、店を畳んだ。競争が激しい業界とはいえ、昼時は車を止められないほど客が入っていた。予期せぬ閉店だった▼オーナーに聞くと、コロナ禍で売り上げが激減したものの、閉店することは2年前に決めていたという。きっかけは別のコンビニを経営していた先輩オーナーの死だ▼コンビニの代名詞ともいえる24時間営業を続けるのは簡単なことではない。深夜や早朝の勤務を希望するアルバイトは少なく、その間、店を任せられる人材となると、ハードルは上がる。確保できなければ、オーナー自らシフトの穴を埋めなければならない。早朝から深夜まで働きづめの日も珍しくなかったという▼そんな時、先輩オーナーが倒れた。「過労死だったんです」。こう語るオーナーは命を削りながら働き続ける日々に疑問を抱いたに違いない。長年続けたコンビニ経営に幕を下ろすことを決めた▼加盟店に対し24時間営業を強制することは独禁法違反に当たる可能性があると公正取引委員会から指摘されたことを受け、コンビニ各社は改善策を打ち出した。ただ、筆者の周辺では時短営業に切り替えたコンビニは見当たらない▼かつて夜更けも出迎えてくれた建物には「貸店舗」の札が下げられ、暗闇の中、たたずんでいた。明かりの消えたテナントの前を通り過ぎるたび、便利さの陰で働いている人たちのことを思う。(中)