海部俊樹元首相の訃報に接し、真っ先に脳裏に浮かんことがある。リクルート事件などで自民党政権が逆風にさらされながら、首相として衆院選(90年2月)を勝利に導いたことだ。当時、私はロータリークラブの交換研修生で、オーストラリアに滞在中。現地でも日本の選挙結果に関心を持つ人が多く、新聞やテレビで大きく取り上げられた。
冒頭に掲げた本紙「豪州スケッチ」は、帰国後に私自身が書いた10回連載の記事の一節だ。「日本の国民がカイフ続投を選んだのなら、それでいい」と受け止める声の一方で...
このページは有料会員限定です。紙面併読コースまたは電子版単独コースに登録することで続きをご覧いただけます。