栗の形に凹凸のついた鉄製の型が、焼き器の中をゆっくりと進む。型が開くと、こんがりと濃いきつね色に焼き上がった栗せんべいが現れた。歯応えある食感が特徴だが、「焼きたては軟らかいんですよ」。松月堂代表取締役の保坂昌史さん(51)が1枚手に取り、ぐにゃりと曲げてみせた。
松月堂は1899(明治32)年、富士川舟運で栄えた鰍沢・二軒屋で創業。1913(大正2)年、商店が立ち並ぶ現在地に移転した。栗せんべいは27(昭和2)年ごろから販売。「静岡の親戚から製法を教わり一緒に開発してきたようだ...
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