「残心」という言葉が好きだ。主に剣道などの武道で使われる言葉で「動作が終わったあとまで緊張をとかず、気持ちをよそへ向けないこと」(三省堂国語辞典)を指す。「充分な気勢、正確な打突、正しい姿勢、さらに反撃に備える隙(すき)のない残心、そのすべてが揃(そろ)って、初めて一本と見なされる」。剣道に打ち込む女子高生を描いた『武士道シックスティーン』(誉田哲也著)にも登場する言葉である。
ただ強ければいいのではない。技を決めれば終わりというのでもない...
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