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棚ぼた的時間で得たもの

2021年5月28日 12時07分
同僚と湖の水質を調査(JICA提供)

同僚と湖の水質を調査(JICA提供)

ソロラ県ソロラ市(グアテマラ) 根岸晃芸

 先日、青年海外協力隊員としての2年の任期が終了した。2019年4月に湖の水質改善のため中米グアテマラに派遣され、翌年3月に世界中の隊員と同時に帰国したままだ。
 先輩からは1年目は言語や文化に慣れ準備する期間だと言われ、実際に現地になじみこれからといった頃の帰国だった。一方、派遣先の情勢不安で一度帰国・グアテマラへ任地変更になった先輩からは「いつ帰国になるかわからない。悔いのないよう活動しなさい。とりあえずお土産だけは欲しいと思ったときに買っておきなさい」と口酸っぱく言われていたが、活動も順調で平和に暮らしていた私には馬耳東風だった。経験者の話は金言だ。
 任期終了にあたってさまざまな報告のために活動を振り返った。日本からオンラインでうまく活動を続けていると思っていたが、改めて1年前にやろうとしたこと、やり残したことが計画書に、データに山と積まれていることから目を背けていたことに気が付き、仕方ないと諦めていた気持ちに突然悔しさが差し込んできた。
 しかし、帰国したことによって得られたこともある。諦めていた昔の夢に、1年の棚ぼた的時間と消化不良のやる気を糧に挑戦することができた。グアテマラよりも何が起こるかわからない、世界の果てに飛び立つことになる。協力隊の経験と1年の悶々とした期間がなければ絶対にできなかった挑戦だ。
 この挑戦を無事終え、さよならも言えなかったグアテマラに赴いて土産話をするのが、今の私の夢だ。(青年海外協力隊、29歳、甲府市出身)