「昔ながらの製法を守り、素材の風味を感じられるすがやの餡子をぜひお楽しみください」と話す菅谷賢一郎さん
大正元年から製造が始まったという伝統の八端最中。「大納言」「黒こし」「白こし」の3種類の餡の味わいが楽しめる
1年ほどの試作を重ねて2009年に売り出した「かりんとう饅頭」。山梨では先駆けだったという。すがや特製の餡にマッチする黒糖、油など厳選した素材を使っている
すがや特製の餡子は、北海道産の厳選した小豆から生まれる
こし餡の場合は、小豆の皮を計3回むく作業があるという
こして水分を搾ったあずきは白っぽくなっている。ここに水あめ、砂糖を混ぜ、加温して、こねていくうちに黒みがかった餡ができていく
出来上がったこし餡。こし餡の製造には約6時間、つぶ餡の製造には3日ほどかかるという
明るい笑顔で店を切り盛りする菅谷賢一郎さんと晶子さん夫妻
親戚の宮大工に依頼してつくったという店内は京菓子店の風情がある
店内には都留市や大月市の名所などにも関する置物などがいくつか飾られている。大月市在住の男性から贈られたという猿橋の模型が目を引く
店内にはメダカが泳ぐ水鉢が二つあり、お客さんとの会話も弾むという
1892年創業、百有余年を超える歴史を持つ老舗の御菓子司すがや=都留市中央3丁目
■菅谷 賢一郎(すがや・けんいちろう)さん 49歳
(有限会社すがや代表取締役、都留第一中-山梨県立桂高校卒-名古屋商科大学商学部中退。製菓衛生師)
【御菓子司すがやについて】
1892(明治25)年に賢一郎さんの曽祖父富二郎さんが都留の地で乾物、萬屋、お菓子屋さんとして創業したのが始まり。1912(大正元)年ごろに製造が始まった最中(もなか)は、伝統の甲州八端織(はったんおり)にちなみ「八端最中」と名付けられた。八端最中は、父親の第3代筆太郎さん(76)が出品した「第21回全国菓子大博覧会」(89年)で「名誉総裁賞」を受賞。26回全国菓子大博覧会(2013年)では賢一郎さんが出品した「八端最中」が「橘花栄光章」を受けたのと同時に、「甲州都留 かりんとう饅頭(まんじゅう)」が「全菓博 栄誉大賞」を受賞した。...