七千年以上も昔、インカの祖先達がアンデスの高地で栽培を始めたジャガイモは、十五世紀末コロンブスが大陸を発見した頃には、すでに世界一洗練されたものになっていた。インカの祖先達は当時すでに三千にものぼるさまざまな特性を備えた品種を栽培していたという。アンデスの高地という、高低差の違いや気象条件の違う環境で特別なむずかしさを抱えながら長い年月をかけて築きあげてきた豊かな多様性はわずか数世紀のあいだに全世界に拡められ、残念なことに...
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