三十五年程の昔、当時の工作舎が出版していた雑誌「遊」に、編集長をしていた畏友松岡正剛の勧めで四百字詰め原稿用紙四枚~十枚のエッセーを書かせてもらっていた。今でもそうだが直感と純粋だけが取り柄の下手な文章だったと思う。しかし「現代詩手帖」にとり上げられたり、外国語に訳されたり、と捨てたもんではなかったとも思う。幾年か連載されたその最終回「僕は地を這う前衛である」と書いた。当時活動を休止していた土方巽(オドリに限らずあらゆる表現活動に影響と変革をもたらした人、一九八六年没)を、世の中に引き戻したくて必死の想いで書いたエッセーでありオドリと一生かかわろうと決めた僕自身への宣言でもあった。...
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